バッファローストーン

人類が生まれる遥か前。巨大な恐竜が出現したジュラ紀と呼ばれる時代に、今日のオウム貝の先祖アンモナイトが海洋に繁栄していました。やがて、アンモナイトが絶滅して太古の海が大きな地殻変動によって後退すると、取り残されたアンモナイトの殻は火山灰に埋もれ永久の眠りにつきました。

それから7000万年後、カナダに住むブラックフットインディアンによって、アルバータの草原に発見されたアンモナイトの化石は、まるでオーロラのように光り輝いていました。それは、地球の壮大な営みが、偶然と奇跡を繰り返し、悠々の時をかけて化石を宝石に変えたのです。

ネイティブたちに語り継がれてきた伝説があります。長く厳しい冬の草原から、いつしかバッファローが姿を消し飢えに苦しんでいた頃、一人の若い娘が深い雪の中をさまよっていると、どこからともなく美しい歌声が聞こえてきました。「木の下に埋もれている石を持ち帰りなさい。その石は病を癒し、生きるに必要な糧を与えてくれるでしょう。」その歌に誘われるように歩いて行くと、やがて一本のコットン・ツリーの木の下にたどり着きます。恐る恐る雪を掻き分けると、美しく光り輝く石が現れました。翌朝、その美しく光り輝く石が呼び寄せたかのように、白銀の草原にはバッファローの大群が姿を見せ一族は救われました。

以来、彼らはその美しい石を「バッファロー・ストーン」と呼び、手にした者は幸運に恵まれるという伝説を信じて、いまも一族の家々に祀られています。